弓の力学 (4)

   第1章 弓の毛を張る

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 このページは、一つの結論です 

弓の毛の張力・・・分かりました!

それは、弓の性能に大きく影響しています。

 

あなたの弓の 毛の張力・・・果たしてどれくらいでしょうか。

 

毛の張力を計算で求める・・・

こちらで紹介した 図2 図 を、 再度示します。

 

毛の張力 Th は、毛を張る前の毛間隔 d1 、毛を張った状態の毛間隔 d2 、スティック材料の 縦弾性係数 E と、スティックの太さから決まる 断面2次モーメント I の数値などから計算されます。

 

その計算結果を下記の 表3 毛張力の計算結果とスティック係数 に示しました。

 

なお、Celloの ヘッド・フロッグ高さは h = 20 mm  として計算しました。

図2 毛を張る前の状態

 

図3 毛を張った状態

 

表3 毛張力の計算結果とスティック係数

この結果から、Cello Bow の場合、毛の張力 Th は、凡そ Th = 10 Kg  前後である・・・と言うことがわかりましたが、中にはそれに満たない弓もあることがわかりました。

 

毛を張った状態の毛間隔 d2 を大きくすれば・・・(スクリューを更に回して、毛を張る・・・と言うこと) 、毛の張力 Th は更に大きくできます。 仮に、毛間隔 d21 mm 大きく張った場合の毛の張力 Th の値を、増加時初張力 Th として、表の右端に表示しました。 しかし、それでもTh = 10 Kg  に満たない弓も中にはあります。

 

これらの弓が、 性能上 どのように違いがあるか ・・・は、次の章以降で検討を進めて行きます。

 

演奏上は、毛の張力 Th がある程度確保できることが、優れた弓であることは間違いないと思われます。


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弓の力学 続き (5)


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工房ミネハラ
Mineo Harada

Updated:2009/10/13

First Updated:2007/8/28