フレームの組立 |
 |
共鳴胴のフレームの組立には、2枚の側板、上板、底板を使用します。
上板と側版をクランプして上板に明いている2ヶ所の穴から側板に下穴をあけ、2本の木ネジ(76mm)で上板を側版に締め付けます。 |
 |
側版や上板の溝には、後で裏板、サウンドボードをスライドして嵌め込むので、位置が正しく合う事が大切です。 |
 |
3.2mmのドリルで底板の穴から側板に下穴を明けて、41mmの木ネジで底板を側版に締め付けます。 |
 |
全ての部品の位置が確認出来たら一度分解し、接着剤を塗って、木ネジで締め付け30分間乾燥させればフレームの組立は完了です。
|
裏板の加工と接着 |
 |
細かな刃の廻し引き鋸かジグソーを用いて裏板に穴を明けます。板に引っ掻きを付けない様に時間を掛けゆっくりと鋸で切断します。その後サンダーで仕上げます。
|
 |
接着剤を側板と上板の溝に流し込み細い棒の先で接着剤を溝の中に広げます。
側版に流れ出さない程度の適量の接着剤を塗る事が肝心です。この時、底板の両端部
にも接着剤を置きます。次に裏板を下からスライドして入れて所定の位置に接着します。 |
 |
はみ出した接着剤を濡れた雑巾で奇麗に拭き取ります。後で塗装を奇麗に仕上げるためです。 |
サウンドボードの加工と接着 |
 |
サウンドボードの下の端に描かれている線に沿って細かな刃の廻し引き鋸かジグソーを用いて切欠きを切り抜きます。 |
 |
サウンドボードの裏側に弦の張力を支えるサウンドボード補強板を接着します。
|
 |
全長にわたってピッタリと接着する必要が有ります。奥行きの長いクランプが有ると便利です。
左の写真は、チェロバスバー接着用のクランプを使用しています。
クランプが無い場合は重しを載せて固定しても良いでしょう。
|
 |
キットに含まれている2.4mmのドリルで、26ケの穴をサウンドボードと補強板を貫通して明けます。この穴は、面に垂直に明ける事が大切です。
サウンドボードの巾が大きすぎる場合はこの段階で巾を切り落とし、表面をサンドペーパーで仕上げます。 |
 |
サウンドボードの位置が満足出来たら接着に入ります。
接着剤を側板と上板の溝に流し込み、底板の両端部にも接着剤を置きます。接着剤は十分な量を塗ります。細い棒の先で接着剤を溝の中に広げ、次に裏板を接着したのと同じ要領でサウンドボードを下からスライドして入れて所定の位置に接着します。
|
 |
サウンドボードの下の端を持ち上げて接着剤を更に塗って小くぎでサウンドボートを底板に打ち付けて固定します。
切欠きの位置の近くは強度を増すためにくぎを少し余計に打ちます。くぎの頭は後で隠しますので気にしなくて結構です。
|
 |
サウンドボードの切欠きの残り材を隙間を埋めるために接着し、くぎで止めます。 |
共鳴胴の加工と仕上 |
 |
次に縁取りを接着して取り付けて、表板と裏板のくぎの頭を隠します。
|
 |
以上で接着作業はすべて完了です。縁取りの接着が乾燥したら底板からはみ出している部分を削り落します。薄い刃のノコギリで切断するか、電動サンダーかベルトサンダーで仕上げます。
共鳴胴の外周の角部にR面取りをするのに、トリマーとRounding-over bit (コロ付丸面ビット)のR3,R6程度が有ると便利ですが、サンドペーパーでも仕上げる事は出来ます。
最後に150−180番の細かなサンドペーパーで全体の傷跡を奇麗に仕上げます。電動サンダーが有れば便利です。
サンドペーパー仕上げが済んだら、ラッカー仕上げキットの目止め剤を塗り、ラッカーを吹きつけて塗装します。 |
ネックの加工と仕上 |
 |
組立キットがプリドリルド(予め穴明けされたキット)で無い場合は、次にネックの上側の印の位置にチューニングピンの穴をキットに同梱されている4.8mmのドリルで深さ32mmの穴を明けます。ネックの下側の穴位置マークにキットに同梱されている4mmのドリルで、深さ19mmの穴を明けます。ボール盤が無い場合は、細心の注意を払って穴が垂直に明くようにする事が大切です。
穴あけが済んだらサンドペーパーで全体を仕上げ、ラッカー仕上げキットの目止め剤を塗り、ラッカーを吹きつけて塗装します。 |
ハープの組立 |
 |
ネックに明けた下側の穴に真鍮ガイドピンをハンマーで叩き込みます。12.7mm厚の木辺を用意して、それを真鍮ガイドピンに当てて叩き込めば、全てのピンの高さを揃える事が出来ます。 |
 |
ネックに明けた上側の穴にチューニングピンをハンマーで叩き込みます。 |
 |
全てのガイドピンとチューニングピンを打ち込んだ状態。 |
 |
ネック・支柱アセンブリーを共鳴胴に載せ、支柱が切欠きの中心に有る事を確認して2.4mm径のドリルを使用して底板の穴から支柱にネジ止めの下穴を明け、41mmの木ネジで支柱をしっかりとネジ止めします。 |
 |
サウンドボードの穴に真鍮ハトメを挿し込みます。このハトメが弦のガイドとなります。 |
 |
弦は#26番の太い弦(0.06”)から張り始めます。弦の端をサウンドボードの一番下の穴に前から通し、弦が後ろまで届いたら、弦の端を写真に示す様にクロスさせて結びます。
その部分に瞬間接着剤を一滴たらして、サウンドボード補強板まですばやく弦を引っ張ります。接着剤がほどけ易いナイロン弦をしっかりと固めてくれます。 |
 |
弦のもう一方の端をチューニングピンの穴に通し、数回巻き付ける余長を数センチもたせて置きます。
一方の手で弦の余長を引っ張りながら、チューニングレンチでピンを時計方向に廻して弦をピンに巻き付けます。
弦が或る程度張れたら、弦をガイドピンの溝に掛けます。
チューニングピンには余り巻き付けない事が肝心です。巻き付け過ぎると緩みの原因になります。
|
 |
中音域の弦(.040”
と.036”)の場合は、弦にプラスチックビーズを通し、オーバーハンドの結び目の終わりを更に結び目に通して大きな結び目を作ります。
|
 |
瞬間接着剤を一滴たらして引っ張ると写真のように大きな結び目となり抜けなくなります。
|
 |
最後の6本の弦(0.025”)は細いため、ダブルに結んでもビーズの穴から抜けてしまう事が有ります。写真に示すように太い弦の切れ端を結び目に通しておくと緩まなく成ります。
|
 |
.040”及び更に細い弦はチューニングピンに巻き付ける際に次の要領が必要です。
弦をチューニングピンに1〜2回巻き付けた後クロスさせてその上に弦を巻き付けるオーバーラッピング巻きを行います。
|
手作りハープ完成! |
 |
これでハープは完成しました。
各弦のチューニングを行います。
始めは弦やサウンドボードなどが張力で伸びるので音程は安定しませんが、何回か繰り返して調弦して行く間に音程は安定します。
半音階演奏用に
Sharping Lever
を取り付ければ演奏の巾は格段にひろがります。
オリジナルハープでアンサンブルを楽しんで下さい。
|