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Hengsheng バイオリンに ご興味の方は、お問い合わせください。
問屋と相談して対応いたします。
Original hand-made Violin by Made in China |
工房ミネハラ では、以前より
中国のバイオリン・チェロ生産量は、今や世界一 しかも、その製造技術は向上しました。 しかも、本場ヨーロッパで修業して本国に戻り、ハイグレードの楽器を製作する職人も登場しております。
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また、工房ミネハラ では、最近では、大手楽器店も盛んに紹介を始めた、クレモナの楽器について、 いち早く以前より、こちらのページで、下記の Angelo Sperzaga や Maurizio Tadioli の楽器をご紹介してきました。 下記の二人の製作家は、大手楽器店でも扱いはじめています。 |
ここにご紹介する、
は、中国 広州に バイオリン工房をかまえており、クレモナでバイオリン製作を修行し、3年毎に開かれる 製作コンテスト(トリエンナーレ)でも金賞を受賞している製作家の作品です。 ですから、楽器自身は、クレモナの伝統・品質を完璧に受け継いでいる正真正銘のクレモナスタイルの楽器です。 因みに、 Angelo Sperzaga や Maurizio Tadioli も、金賞を受賞しています。 |
クレモナスタイルの楽器 とは、何でしょうか。
下の、系図をご覧になってくだされば、それは一目瞭然 ご理解いただけるとおもいます。
アンドレア・アマティに始まったクレモナのバイオリン属楽器の製作は、ガルネリ 一族やストラディバリなどの製作家に受け継がれ 、更に、モンタニアーナ( Cello Sleeping Beauty で有名) や ガダニーニ 一族 ほか、数々の名工を輩出し、沢山の名器が残されています。
残念ながら、それらは、私たちの手の届かない存在になっていますよね。
現在 Cremona には、この クレモナ派の名工達の作品の伝統を受け継いで、熟練職人の称号の証である Maestri Liutai CREMONA LIUTERIA を名乗る製作家が何十人も活躍しています。 こちらをご覧下さい。 上でご紹介しています、 Angelo Sperzaga や Maurizio Tadioli も、Maestri Liutai CREMONA LIUTERIA の称号を持ち、更に、Hengsheng 達も、その伝統を受け継いで、これ等の名器に近づく努力をし、完全コピーの楽器製作に取り組んでいます。 上でご紹介した、 Angelo Sperzaga の Violin Cremona 1999 new finish は、ストラディバリの復元品です。 Maurizio Tadioli のViolin Cremona 1999 old finish は、ガルネリ・デル・ジェスの復元品です。 |
クレモナスタイルの楽器 には、もう一つの特徴があります。
こちらのページでご紹介しています、ニスやその下地塗り などに特徴があります。
“クレモナニスの秘密” などと言われていますが、現在の製作家もその秘密を解き明かそうと、自分流のニスを調合して塗っています。
現存する オールド楽器は、既に300年も使われているのですから、ニスは剥げて・・・、あるいは、 黒ずんだり、凸凹になっています。 しかし、木自身が確りしているので、名器としての鳴りを維持しています。
上の、Maurizio Tadioli
のViolin Cremona 1999
old finish
は、ガルネリ・デル・ジェスの復元品ですが、現存している状態に復元するために、敢えて、ニスを剥げた・・・、あるいは、黒ずんだり、凸凹の状態に、始めから作った物です。
このような楽器は、Antique Finish Violin と呼ばれていて、数多くの現在の製作家たちが作っています。
実際に、バイオリンのニス塗りをやった方なら分かるとおもいますが、新作バイオリンのように均一に、透明に綺麗に塗るほうが易しいとおもいます。 アンティク仕上げは、熟練の要る特技でしょう。
彼らは、オールド楽器の雰囲気で、クレモナスタイルの楽器 の鳴りの素晴らしさを、演奏家達に楽しんでもらう ために、こうした製作に取り組んでいるものと思います・・・。
ステージなどで弾いたら、遠目には、オールドバイオリンと見間違うナイスルックスですよ。 |
ここにご紹介する、
は、ストラディバリ と ガルネリ の復元品の、Antique Finish Violin です。
必ず ご納得して頂けると思います
Antonio Stradivari "MILANOLLO" 1728 |
左 ストラディバリモデル 右 ガルネリモデル made by Hengsheng |
Guarneri ' del Gesu ' "Lord Wilton" 1742 |
Joseph Guarneri 1714 |
如何ですか。 そっくりさん・・・ですよね。
さて、ストラディバリ と ガルネリ の違いって・・・何でしょうか。
この演奏を聴いて見て下さい。
私には、ちょっと聴いただけでは、全く分かりません。 そのくらい、どちらの名器も素晴らしい音色なのです。
ガルネリ は、胴の隆起が大きいので、音は甘く、音量はそれ程でもない・・・、あるいは、音量は大きく良く鳴って音域のバランスが良く、音色は落ち着いている・・・など、
ストラディバリ は、音量と音色が音域により特徴ある・・・、高音域の華やかさ、低音域の荒々しさ・・・。
色んな評価が巷には有りますが、何れも、音量のバランス、レスポンスの良さ、芯のある音で、遠くまで響く音、全ての音が均一に出る・・・など、共通した素晴らしさがあるとおもいます。 |
単位;mm
部位 | ストラディバリモデル | ガルネリモデル | コメント |
Body Length | 354 | 354 |
CL; Corner Length や 縦に長い
f孔の形 C; f
hole Corner Length などが、
注釈; ですから、一概に、ストラディバリモデル と ガルネリモデル の形の違いを、 |
UB; Upper Bouts | 165 | 164 | |
MB; Middle Bouts | 105 | 106 | |
LB; Lower Bouts | 203 | 200 | |
UW; Upper Waist | 147 | 150 | |
LW; Lower Waist | 174 | 176 | |
CL; Corner Length | 77 | 82 | |
A; Lower f hole | 105 | 107 | |
B; Upper f hole | 40 | 38 | |
C; f hole Corner Length | 71 | 77 | |
Body Height (ボディ厚み) | 61 | 62 |
このように、形やサイズに、モデルによる違い は有りますが、新作のバイオリンに於いて極端な音の違いを見つけることは、難しいことです。
この、ストラディバリモデル と ガルネリモデル ・・・どんな音がするの???
皆様の、一番興味のあるところとおもいます。
このグラフは、Antonio
Stradivari
で演奏された音の性質を知るために、周波数分析を行ったものです。 バイオリンのA線 442Hz を弾いた時のものですが、その音に対して、その音に含まれている倍音などが大変良く出ていることが分かります。 倍音が高い音まで、確りと伸びる楽器。 このような楽器が、芯のある音で、遠くまで響く楽器といえるとおもいます。
このような、音の性質 を調べるために、おなじように、音の周波数分析を下記の楽器で行ってみました。
Tadioli 新作、ストラディバリモデル、 ガルネリモデル は、 私 「チェロ弾き」 の演奏です。音程の悪さやボウイングの拙さはお許しください。
この演奏の中に入っている、G3 (G線)、D4 (D線)、A4 (A線)、 A5 (E線のA) の4っの音について、周波数分析を行った結果を、
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如何でしたか。
Stradivari や Guarneri の波形は、上で述べましたように、倍音が高い音まで、確りと伸びている事は言うまでも無く、波形の山と谷の差がとても大きいことが分かります。 山の部分は・・・音、谷の部分は・・・雑音、 と言う事になりますので、雑音が小さく、快く、綺麗な音・・・と言うことが出来ます。
また、上のグラフで、一番左の山の音が、実際に弾かれている音ですが、Stradivari や Guarneri では、この音の山の高さが左程ど大きくなくても、倍音の山の強さが大きい・・・と言うような事も分かります。
これ等に対して、新作バイオリンの、Tadioli 新作や、Hengsheng のストラディバリモデル、ストラディバリモデル は、なんと言っても、作られた直ぐの楽器ですので、 弓にやや少し圧力を掛け気味にして、実際に弾く音・・・(一番左の山の音) をある程度確り弾く必要がありますが、低音から高音まで、音量のバランスは結構良いと思いませんか。 新作の楽器が軽く鳴り出すには、1年(「あれっ?、何か変わった・・・」と気付く最少単位です)、5年、10年(見違える程変わります)・・・といった単位が必要で、それに従って、ざらつき感が減少し、軽やかさや音の抜けの良さが段々増して行きます。木やニカワ、ニスなどの乾燥の程度が増して行くためとおもいます。
また、別に言えることとして、倍音の山の出方(波形全体の形)・・・は、Stradivari や Guarneri の波形に似通っている・・・と思いませんか 。 これは、 倍音が良く出ていると言う証拠です。
これらは素晴らしいことです。 ある程度の時間が経てば、 このTadioli 新作やHengsheng は、もっと軽やかに反応する素晴らしい楽器に成長する可能性を秘めている・・・と言う事に他なりません。 これは、材料も良く、作りも良いからです。
このページの下の写真をご覧頂けば、クレモナバイオリンの品格にこだわっている、クオリティの確かさはご覧いただけるとおもいます。
これが、Cremona の職人たちが作り続けている、クレモナスタイルの楽器なのです。
も、その仲間といえるでしょう。 ここにご紹介しています、Hengsheng の Antique Finish Violin は、現在、クレモナで活躍している Maurizio Tadioli などの、Maestri Liutai CREMONA LIUTERIA の称号を持った職人たちの作品と、ほぼ同等のクオリティと言っても良いでしょう。 |
最後に、楽器の作りを見ておきましょう。
は、クレモナでバイオリン製作を修行し、母国の中国に戻りバイオリン工房を開設した製作家です。
クレモナ流の作り方には、一切の手抜きはありません。 フッティング状態も良く、丁寧に仕上げられています。
通常、中国製の楽器は、入ってきたままでは、そのまま皆様にお届けできないので、当工房ミネハラ では、十分なフッティング作業を行っていますが、この楽器であれば、ある程度の手間でお届けできます。
ご覧下さい。 |
最後は、何と言っても、気になるのは、お値段ですね。
は、中国製の安物ではありません。
しかし、何と言っても、まだ中国の経済と、欧米先進国との差は大きく有ります。
当工房ミネハラ では、
Angelo
Sperzaga や Maurizio Tadioli は、
この、Hengsheng は、それらとほぼ同等品が、1/4−1/5 のお値段です。
皆様の、価値ある逸品になるとおもいます。 |
Click 写真をクリックすると大きくご覧頂けます。
イギリスの月刊誌 'the Strad' 発行の the Strad Calendar 2006
2006年のカレンダーは、Guarneri 'del Gesu' の特集
パールマン、ハイヘッツ、ズーカーマン・・・などが使っている、Guarneri 'del Gesu' のバイオリンが、
12ケ月に亘って、原寸大の写真で紹介されています。
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Mineo Harada
2018/1/16
Updated:2006/11/20