より良い音を求めて駒の製作と調整

bridge71.jpg (5506 バイト)

red.gif (61 バイト)

駒の製作
bridge22.jpg (3738 バイト) 駒の材料と質
 駒は良くねかせたカエデ材が良く、年輪が水平の物が良いものです。

 駒には表裏が有ります。正しく木取りされているものは、テールピース側は縦に流れる模様、指板側はゴマ塩のような斑点模様が奇麗に出ています。

bridge8.jpg (5066 バイト) 駒の寸法
 駒の横幅はf孔の幅と同じ程度の40〜42mm程度です。

 駒の寸法は、高さは中心で34mm、足の幅は4.3mm、足の厚みは1.2mm、上端で1.5mm程度に削って仕上げます。
 指板側を削って所定の厚さにします。テールピース側は削りません。

bridge31.jpg (5145 バイト) 表板とカーブの合わせ方
 弦をゆるめた状態で、表板にサンドペーパーを乗せその上で駒の脚を削ります。駒が倒れない様に木製のブロックを当てて削ります。
 サンドペーパーは#100番程度の粗いものが作業が早く出来ます。
Violin Bridge Fitting Jig として専用のジグも市販されています。
bridge9.jpg (2118 バイト) 駒の立て方

 駒はテールピース側を垂直に立てます。脚のカーブを合わせる時に、垂直になるように削ります。

bridge10.jpg (4238 バイト) 駒の上面の形

 一般には指板の高さは18〜20mmです。指板のアールからG線側で5mm、E線側で4mmをとって上面の形を作ります。

bridge41.jpg (3605 バイト) 溝の寸法

 両端を均等に残して、34mmの位置を3等分してヤスリで各弦の溝を付けます。
溝の深さは弦が半分入る深さが適当です。

bridge52.jpg (2661 バイト) 駒の位置

 駒を立てる位置は、f孔の刻み目に駒の中心を合わせます。

bridge51.jpg (3871 バイト) 駒の位置

 このページのトップの写真を参考にして下さい。

bridge61.jpg (7921 バイト) 駒の位置と弦の高さ

 駒の左右の位置は、片方の脚がバスバーの上、もう一方の脚が魂柱の位置に均等に乗っている事が大切です。

 最終的に、弦の高さは、スチール弦の場合
E線:3mm G線:5mm程度とします。

 弦を張ると駒が倒れますので、最後にもう一度駒のテールピース側が垂直になっているかどうか確認します。


駒の調整:いよいよ良い音への調整です

bridge15.jpg (5178 バイト) 楽器と駒の関係

 表板の厚みが有り、しっかりと作られている新作やモダンなどの楽器は、間隔の狭い駒を使用。
 表板が薄い楽器は、間隔の広い駒が良いでしょう。
 表板の厚い楽器には、駒を薄くしたり、穴を掘ったりして軽くします。

bridge11.jpg (2856 バイト) 倍音の出にくい楽器の場合

 駒の腹を薄くし、上側の角を残した形のものが良いでしよう。

bridge12.jpg (3798 バイト)  更に、穴を掘って、駒を軽くします。
bridge13.jpg (3606 バイト) 高音が出にくい楽器の場合

 駒の足元を削る。

bridge14.jpg (2683 バイト) 倍音が出過ぎる楽器の場合

 駒の上側の角を落として丸く仕上げる。

少し良い音になりましたか?

 

menu.gif (338 バイト) フロントページ

red.gif (61 バイト)

工房ミネハラ
Mineo Harada

Updated:2000/4/15