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anime ミニチュアチェロを作る その(3) パーツを作る

このサイズのチェロに合うパーツは、何処にも売ってない・・・じゃぁー、パーツも作るしかない・・・


指板とナット

 

まずはじめに、チェロに接着して取り付ける指板とナットを作りました。 材料は本物と同じ 黒檀で作りました。 実際に弾けるチェロを目指していますので、指板の曲率なども、本物に近づけることを念頭に置きました。

指板の長さは 約147mm、指板の幅は ナット部で 約10mm, 駒端は 約17mm です。

約1cm の幅の間に、4本の弦を張って、それを押さえて演奏することになります。


ペグ (糸巻き)を作る

実際に弾けるチェロ・・・、これにするには、ペグ (糸巻き)は最も重要なパーツの一つです。

弦を張った時に緩んでしまうようでは、満足な演奏は出来ません。

そこで、本物と同じように、テーパー (1/30) の付いたペグを旋盤を使って製作しました。 ペグの先の細い所の直径は 約3mm。

材料は、本物と同じ 
Boxwood (柘植)で作りました。 ボックスウッドステインで着色してあります。

チェロ本体にセットするときは、分数バイオリン用の最も細いペグリーマーの先端部でぺグボックスの穴を仕上げてセットしました。


テールピースを作る

弦を張るためには、もう一方の端のテールピースも重要パーツです。

小さなペグだけで完全な5度のピッチを合わせる事は、至難の業です。 そこで、アジャスターが必須となりますので、思い切ってアジャスター内蔵型のテールピースを作ることとしました。

材料は、本物と同じ Boxwood で作りました。


アジャスタースクリューは、2mm のスクリューを使用しました。 問題は、弦をひっかける部分です。 通常の弦は、その端に ボールが付いた、所謂 ボールエンドの弦が一般的ですが、このサイズのアジャスターでは、ボールのサイズが大きくて、ひっかけることが出来ないので、弦の方を工夫して、ループエンドの弦をひっかける構造としました。


金具は真鍮で作り、スクリュー部には金属製のナットも嵌め込んでありますので、耐久性には問題ない構造です。 唯一の問題は、スクリューが余りに小さく、直接、指では回せないことです。 簡単には、細い精密ドライバーを使えばよいのですが、左の写真のような、専用のネジ回しを作りました。 これで、調弦はバッチリ行えます。


エンドピンを作る



エンドピは、伸縮できるものを作りました。

スリーブは、黒檀製。 エンドピン自体は、3mm 太さの真鍮丸棒を使いました。

エンドピンは、手で伸縮・固定できるように、小さな固定スクリューも作りました。 1.7mm の真鍮製のネジを使い、つまみも付けましたので、ゴールド仕立てのエンドピンライクに仕上がりました。





魂柱を作る


このミニチュアチェロには、ちゃんと 魂柱も立てることとしました。

縮尺を合わせると、魂柱の直径は 約 3mm 程度、長さ 37mm・・・と言うことになります。

まさに、"つま楊枝" の太さです。 通常、チェロの魂柱の場合、断面の木目は 10本 程度入るのが普通ですが、この魂柱では、3本の木目しか入りませんでした。

問題は、この魂柱をどうやって、後から立てるか・・・です。

それを解決するために、専用の "魂柱たて" を作りました。

これは、海外の弦楽器雑誌 "The Strad" の新製品紹介の記事に載っていた、新しいタイプの "魂柱たて" の構造を倣ったものです。

通常の魂柱たては、鋭く尖らせた先を魂柱に刺して、f字孔から魂柱を入れて、内に立てます。 その方法だと、途中で魂柱が外れたりして、こんな小さな楽器では苦労すること、必至です。

そこで作ったのが、この 専用 "魂柱たて" です。 写真を良くご覧になってください。 細い金属棒の先に、曲がった真鍮の板がハンダ付けされています。 そこに、魂柱を当てます。 魂柱は、細い針金で、真鍮の板に縛られていることが分かると思います。



この状態て、f字孔からチェロの中に入れ、所定の場所に立てます。 魂柱は、細い針金で縛られていますので、ちょっとやそっとでは外れてしまうことはありません。

魂柱が、正しい場所に立ったら、縛ってあった針金を緩めて、f字孔から抜き取ります。

これで、いとも簡単に、こんな小さな魂柱を立てることが出来ました。 ご覧ください。


駒を作る


駒 (ブリッジ) は、通常は専門メーカーが作ったものを、その楽器に合わせて追加工してセットアップしますが、このミニチュアチェロでは、メープルの材料を削りだして作りました。

外形を作るのは、それほど難しい作業ではありませんが、真ん中の "ハート"の切り抜きは、真に細かな作業で、多少苦戦しました。

ブリッジの足幅は 約 24mm, 厚みは 約 3mm, 高さは 約 21mm です。 弦の載る部分は、楽器が完成して、弦を張った状態で調節しました。

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工房ミネハラ
Mineo Harada

First Updated:2011/2/12