前章でデータをとった Sandner
の弓について、もう一度、下の写真のデータを眺めてみましょう。
x=0.25
の位置では 振り子振動 は比較的すぐに治まっていますが、x=0.5
、 x=0.75 の位置では、すごく長い間振動が持続しています。これでは、演奏にはなりません。 実際の演奏でも、そんなことはありません。
したがって、このビデオ
にあるような 振り子振動 は、誰かが止めてくれています。
弓のコントロールは、右手の人差し指から加えられる圧力、あるいは、それとその他の指との連携作用でなされていると思います。 従って、右手から近い位置で弾いた場合は、右手のコントロールがスティックを通して有効に毛に伝わり、振り子振動 を素早く止めているものと思われます。
それが、
ボウイング練習の賜物
・・・というものでしょう。
ところが、このビデオ
にあるような 振り子振動 は、誰も止めてくれないので、実際の演奏時に厄介な問題になって来ると考えます。
右手から
遠い位置 で弾いた場合は、 右手のコントロールがスティックを通して伝わりにくく
、よって、振り子振動 を止めにくい・・・と考えられます。
ですから、その振動を如何に少ないものにするか・・・という点で、 弓の性能 が大きく影響するものと考えました。
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