毛の張れる弓を作る
飾り物のミニチュアチェロでも、弓が付いている物は沢山ありますが、このミニチュアチェロは、実際に演奏することを目指しています。
ですから、弓の毛が、適正なテンションで張れること・・・、更に、将来、毛が切れたりしたときには、"毛替え" がちゃんと出来るものを作る必要があります。
そこで、左の写真の様に、本物の構造と同じ・・・、しかも、材料も本物を倣った材料での弓の製作にチャレンジしました。 それでは、各部をご紹介しましょう。
フェルナンブコ材でスティックを作る
ステックの材料は、本物の高級弓と同じ、フェルナンブコ材を使いました。
スティック先の太さは 約 3mm, スティック長は 約 180mm です。
この部分に、毛を張るための "ほぞ穴" をあけました。
元の太さは 約 4mmです。 この部分に、スクリューを通す穴をあけました。
スクリューアイの入る溝の幅は 約 2.4mm です。
スクリューには、1.7mm のネジを使用し、その先に、真鍮を八角に削りだした "ボタン" を付けました。
スクリューアイの部分は、直径 2mm の "真鍮のくぎ "の直角方向に、1.7mm
のネジを切って、そこに 上の 1.7mm ネジのスクリューが入る構造としました。
なにしろ、スティックの元の太さが 4mm 程度しかないので、このような細かなネジを作る必要がありました。
それで、何とか、スクリューを回すとフロッグが動かせるものが出来ました。
フロッグ自身は、本物と同じ 黒檀を削りだして作りました。
パリジャンアイ・・・とはいきませんが、真鍮でゴールドまがいの "アイ" も入れました。
フロッグの底には、毛を仕込むための穴も掘ってあります。
金輪 (フェルール)、貝スライドも本物の様に作りました。
貝スライドは、本物の "Mother of Pearl"です。
あとは、毛ほ張れば弓が完成します。
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毛を張る
スティックにニスを塗った後、約 40本の毛を張りました。
毛の抜け止めには、楔を打ち込んであります。
弓元のパーツです。
ラッピングと、皮巻も施して、見た目は正に本物の弓の様に仕上げました。
最後に、あのピンク色した "LARSEN" の松脂を溶かして、この弓専用の松脂も作りました。
これで弓が完成しました。
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Mineo Harada
First Updated:2011/2/12