弦を張る
はじめに、弦は、ビオラの
A D G C の実際の音程 (A: 440Hz, C: 130.8Hz)で鳴らす事で我慢する・・・と書きましたが、ビオラ用の最高級の "Pirastro
Obligato" を張りました。
この弦は、A線はスチールにアルミの巻線ですが、D, G,
C線は、芯線が合成樹脂製で、とても柔らかく作られていて、しかも、弦の重さを確保するために、比重の重い シルバーやタングステンが巻線として使われていますので、このミニチュアチェロには最適でした。
弦長は、173mm としました。 この値は、通常の 4/4 サイズのチェロの弦長が 695mm ですので、4/4サイズチェロの 1/4 です。
このビオラ用の "Pirastro Obligato"
を4/4サイズのビオラに張った場合と、このミニチュアチェロに張った場合の、弦の張力を比較すると、下表の様になります。 ビオラに張った場合の 1/4
以下の弦張力しかありませんので、音の張りはなくなりますが、何とか、正しいピッチの音は出せる状態です。
弦 | Frequency: Hz | 4/4サイズのビオラ | ミニチュアチェロ | ||
弦長 (mm) | 弦張力 (kg) | 弦長 (mm) | 弦張力 (kg) | ||
A | 440.0 | 370 | 10.8 | 173 | 2.4 |
D | 293.6 | 370 | 6.7 | 173 | 1.5 |
G | 196.0 | 370 | 5.4 | 173 | 1.2 |
C | 130.8 | 370 | 5.4 | 173 | 1.2 |
テールピースに引っ掛ける部分は、ボールエンドのままではなく、ボールを取り外して、ループエンドになるように加工しなおしました。 (下の写真)
駒は、駒の頂上を削って、弦高を 約 2mm に調節しました。 ストリングスペーシング (弦間隔) は、ナット部で 8mm, 駒の位置で 14mm です。
テールピースを止める テールロープは、こちらでご紹介している Carbon-Fiber Tailpiece Rope を使用しました。 本物そっくりでしょう?
完成品
Play the Miniature Cello 無謀にも、バッハを弾いてみました。
Play Bach by Miniature Cello
「ミニチュアチェロで バッハ 無伴奏チェロ組曲を弾く」
下のプレーヤーでご覧ください。
これも面白い・・・You
Tube に、こんな演奏がありました。 楽器の大きさ(体積)は、何百倍も違うかもしれませんね・・・。
■ ホワイトチェロを作る ■ ニス塗り ■ パーツを作る ■ 弓を作る ■ ハードケースを作る ■ ミニチュアチェロ完成
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工房ミネハラ
Mineo Harada
Updated:2011/4/19
First Updated:2011/2/15