これまで検討してきた 13本のチェロ弓のスティックの振動を分析してみました。
図26 各弓のスティックの振動モード をご覧ください。
弓の毛を弦に当てた状態の x
= 0.5
の位置で、スティック振動の周波数分析結果を示しています。
100 Hz
前後のピーク値は、カーボンファイバー製の弓の
Arcus Bow
以外は、殆ど同じ位置(周波数)にピークが現れています。
周波数・・・と言うと、直観的に分かり難いので、音程名で表しました。 大文字 C,
D などは、チェロ C弦の音域です。 すなわち、最低音付近・・・ということになります。 小文字 c,
d などは、そのオクターブ上の音です。
Arcus Bow
は、2本とも G が大きなピークを示し、その上は、g,
g, g と、ちょうど倍音の関係のような位置にピークが現れています。 (これは、スティック振動が、弦のような倍音の関係で振動している・・・ということではなく、モードの違った振動のピークが、偶然、そのような関係になったものです)
100 -1,000 Hz
の間では、ピークの山が大きく出るもの、あるいは、ピークの数が多くでるもの・・・色々あります。
1,000 Hz
以上の高次の振動領域では、どれも皆下がってゆきますが、下がり方にわずかな差はあるようです。 分かりやすくするために、基準線を記入してあります。
さて、皆さんは、ここで気になることがあるのではないかと思います。
試してみました。・・・私の、拙い腕で弾いたのでは、差が現れるか・・・大変不安でしたが・・・。
このサウンドをお聴きください。
チェロは、こちらのページの楽器です。 A線のDから下に、スケールを弾きました。 何れの弓も、同じように弾く努力はした積りです。
何か、違いはありましたか・・・??? ほとんど、あるいは、全く差はない・・・と思いませんか。
余談ながら、僅かに差があるあるかも・・・という話は、このページの後半に述べます。
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