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フィンガーボード (指板) | |
マンドリンは、ギターと同じように、指で弦をフィンガーボード(指板)に埋め込まれている金属製のフレットに押し付けて音程を作る楽器ですので、フィンガーボード(指板)やフレットがきちっと作られていることが最も大事な点です。 |
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もう一つの問題点は、「フレットの浮き上がり」と言うものです。 金属製のフレットは、フィンガーボードに掘られた細い溝の中に、フレットを叩いて、下にある突起部が打ち込まれているパーツです。 したがって、長い間には、打ち込みの力が緩んで、浮き上がってくるものがあります。そういったときは、もう一度叩き込んで、高さを修正する事も出来ますが、部分的に浮き上がってしまった様なときは、浮き上がりをヤスリで削って(研磨)して平らに均す必要があります。 この例をご覧ください。 |
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ナット での 弦高調整 | |
弦の一方の端が載っているナットは、次の重要パーツです。 普通は牛の骨
(ぎゅうこつ) などで作られていて、それぞれ2本ずつの弦が載る細い溝が掘られています。フィンカーボードに対しての弦溝の位置や、弦溝の間隔など寸法関係も重要ですが、弾き易さに関しては、なんと言っても「弦溝の深さ」 言い換えれば、フレットに対しての弦の高さ、即ち「弦高」の設定です。 |
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弦高の設定値は、通常は第一フレットの頂上と弦との間隔で決めています。 その値の目安は、第1、第2弦では、「その弦の直径程度の値」
が良いとされています。
OPTIMA Red String
の太さは、 第1弦
.01"(0.25mm), 第2弦 .013" (0.33mm) ですので、弦高は、0.2mm から
0.3mm 程度が良いと思われます。 第3、第4弦でも、せいぜい、
0.3mm から 0.5mm
程度が良いでしょう。 普通、古い楽器は、概ねこれより大きい場合があるので、弦を押さえる指が痛くなって弾きにくいものが多いと思われます。 |
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ブリッジ | |
弦のもう一方の端が載っているブリッジは要のパーツと言えるでしょう。 普通は黒檀やローズウッドのベースの上に牛の骨
(ぎゅうこつ) などで作られたピースが接着されて作られています。 |
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ブリッジは、表板に接着されているわけではなく、弦の張力で表板に押し付けられて固定されていますので、その位置をずらすことで、ナットからブリッジまでの寸法を変えて、開放弦の長さを調節することが出来ます。 |
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ブリッジ での 弦高調整 | |
ブリッジの二つ目の役割は弦高を決めるパーツで、これが弾き易さに大きく影響している事は容易に分かります。 |
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しかし、量産の楽器では、将来のこのような変化を見越して、後にパーツに修正を加えられるよう、ブリッジを予め高く作ってあるものが普通です。 そのような楽器を何もせず使っていれば、弦高はどんどん高くなってしまい、更に弾きにくい楽器になってしまいます。 数十年前の楽器たけでなく、最近作られたものでもその傾向はみられます。 |
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ブリッジ での オクターブ調整 | |
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ブリッジの三つ目の役割を説明します。 これは、通常「オクターブ調整」と呼ばれています。 違った言い方では、#12フレットからブリッジの弦の載っている位置までの寸法は、ナットから #12フレットまでの長さと同じであれば良いということになります。 ところが、実際の楽器になると、そう簡単には行かないのです。 この、小さなイラスト画像をクリックしてご覧ください。 ΔL と言うのがポイントです。 |
これは、工房ミネハラが開発した「ギターチューニングシステム
MTS
」
を解説した 「ギターの力学」
から引用したページです。 興味のある方は、そちらもご覧ください。 ここでは、簡単に原理のみご説明します。 |
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チューナー (糸巻き) | |
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マンドリンのチューナーは、4本の弦を巻くポストが一つのプレートの上に組立られたパーツとして作られています。 もう一度この画像をご覧ください。 4本のポストをご覧いただけると思いますが、その寸法が問題なのです。 現在、市販されているマンドリン用のチューナーのポストの間隔は
23mm
が標準となっています。 何時からこの寸法になったかは分かりませんが、以前の古い楽器に付いているチューナーは、23.3mm
で出来ています。 たった 0.3mm の違いですが、端から端までになると 約 1mm の違いが出てしまい、ポストの位置が
1mm もずれると、すでにペグヘッドにあいている穴にそのパーツを取り付けることが出来ないのです。 穴をヤスリか何かで横に僅か広げてやるような加工が必要ですが、ポストとしっくり嵌らなくなるので動作は不安定になってしまうこともあります。思案の問題です。 |
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工房ミネハラ
Mineo Harada
2023/4/1